業態コンセプトに積極的に関わり、科学性にこだわった設計。

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このページでは、私がこれまで関わってきたお客様に、私の仕事についての感想を語っていただくことにします。第一回目は、私が独立する前からずっと関わっている、東京都 東久留米市の「PURE HOUSEたけうち」の竹内さんのお話を聞いて下さい。なお、私が直接質問したのでは、竹内さんとしても答えにくいので、インタビューは顧客導入事例研究会の村中さんにお願いいたしました。

小嶋昇

■ 『竹内酒店』から『PURE HOUSEたけうち』という業態に至るまで

    竹内さん。若旦那です。   竹内家は、ここ東久留米で代々商売を営んできました。最初は、農家向けの肥料屋さんとしてスタートし、昭和40年代には、このあたりがお茶の産地だったこともあり、お茶および食料品を扱うお店に鞍替えしました。

-- すみません、お茶の産地と言いますと、昔のドリフの志村けんの「東村山音頭」で「東むらや~ま~、庭先ゃ多摩~湖~、狭山茶どころ、情けが厚い」という歌詞がありましたが、その『狭山茶どころ』のことでしょうか。

まあ、それです。。ここ東久留米も広い意味では狭山地域でして、お茶の栽培が盛んなところです。さてその後、昭和60年ごろにもなりますと、そろそろお茶だけでは業態として成り立たなくなってきたので、酒販免許をとって、酒店を開業しました。当時は酒店というのは、免許を取るのも難しく、一種の「過保護産業」の状態でしたから、開業していれば何とかなっていました。

-- 現在は、「PUREHOUSEたけうち」として、酒の他に自然食品やペットフード、豆腐、アロマテラピーなどさまざまな商材を扱うお店に生まれ変わっています。どういう経緯でそうなったのでしょうか。

ここ10年の東久留米駅の商業環境の変化、これが大きいですね。まず立地の問題です。昔、ここは駅前立地で、店の前にはバス停もありました。しかし95年ごろから東久留米駅の再開発が始まりまして、ちょうどその頃、店を作り変えている最中でしたが、仮店舗での営業中に、東久留米駅の西口ができて、オープン直後には東口ができるという目まぐるしさでした。。それと並行して駅前にロータリーが作られ、さらにロータリー際に、スーパーやファミリーレストランが入ったビルが建ちました。そのスーパーの位置が当店のまん前でして、残念な事に、たけうち酒店の立地は、駅前スーパーの一つ裏の路地に追いやられてしまったのです。

-- それは、激変ですね・・・・

それ以外の変化もあります。95年ごろには、東久留米にはコンビ二は一軒もありませんでした。しかしそれから2,3年して、すぐ裏にローソンができました。また本業の酒類販売についても、免許制限が緩くなり、ほとんど誰でも販売できるようになって来ました。ということは目の前のスーパーで販売が始まるのも時間の問題だなと思っていたら、案の定、販売が始まりました。

-- 実にめまぐるしいですね。

そう、本当にめまぐるしい。これからもどんな変化が回りに起きるか知れません。だから取り扱い商材も、固定観念に囚われずにどんどん変化させていかなければなりません。そして、扱う商材が替わるということは、店の内装やレイアウトも合わせて替えていかなければならないということです。今、ウチはそういうことは全部、小嶋さんに相談してやっているのですが、小嶋さんは単なる内装屋、建築屋というのでなく、こちらの商売のことを親身に考えてくれるので助かります。

■ 「棚効率表や売上げ推移表を出してくれる建築士は珍しいと思います」

陳列表面積効率グラフ-売上げ構成比グラフ -- 具体的にはどのような支援策があるのですか?

例えば、こういう棚効率表や売上げ推移表を手間隙かけて作ってくれたりします(写真左)。この表を元にして、今後のプロモーション計画、内装計画を協議するわけです。ここまでこちらの商売の事を真剣に考えてくれる建築士はあまりいないですね。

-- 普通の建築士は売上げのことは気にかけてくれないものなのですか?

たまに立ち寄った時に「最近、売上げはどうですか?」という具合に声をかけてくれるぐらいはありますが、ここまで手間ひまかけて棚効率表を作ってくる人は珍しいと思います。

-- 小嶋さんとはいつ頃からのつきあいなのですか?

新店舗を作るにあたって、建築士として入っていただきました。その頃は小嶋さんはまだサラリーマンでしたね。

-- 現在の「PURE HOUSEたけうち」という業態は小嶋さんと一緒に考えたのですか?

はい、そうです。自然食品やペットフードをワインと一緒に扱うという業態は、今でこそ珍しくありませんが、当時はまだ一般的ではありませんでした。小嶋さんと一緒に出かけて色々、情報収集をしたものです。

-- 他店視察を一緒にやったわけですか。

はい、何度か一緒に行きました。この点も小嶋さんの特色だと思うんですけど、いつも新しい情報をくれるんですね。しかも本に書いてある話を語るというのではなくて、「どこそこに新しい業態の酒屋が出来たから一緒に見に行きましょう」という具合に、非常に具体的なのです。

-- そうして集めた情報を元にお店の内装を工夫していくわけでしょうか?

まあ、だいたいそういうイメージです。先にも述べたように、店の周りの環境の変化が非常にめまぐるしいので、常に先手先手を打って、変化していく必要があるのです。何かあるたびに小嶋さんに相談しています。小嶋さんは見た目の通りの、気さくで話しやすい人なので、気がかりなことはすぐ相談できます。

■ 「小嶋さんは引き出しが多い人。プラスアルファを返してくれる人です」

私   -- 建築士、内装設計者としての小嶋さんの印象はいかがですか?

非常に引き出しが多い人、何か相談するとただ実行するだけでなく、プラスアルファを返してくれる人という印象があります。

-- 具体的な例はありますか?

具体的と言われると難しいですけど、例えば、こういう棚を作ってほしいと言えば、そういう棚を作ってくれて、しかもそこにいつも一工夫入っているんですね。そこのステンレス什器を頼んだときも、ワンポイントで木枠を加えてくれたりですとか、また店の床一つとっても、こっちは木目、こっちは御影調という風に、常に一手間、一工夫が入っているわけです。

-- 確かにお店の中はなかなか華やいでいますね。特にワインのビンがずらりと並んで、しかもキラキラ輝いているのが良いですね。

そこに気づいていただけましたか。これも小嶋さんの工夫の一つです。ワインのコーナーだけ天井の蛍光灯が違うでしょう。あれは小嶋さんが見つけてきてくれた特殊な蛍光灯です。あれのおかげでビンがキラキラ輝くのです。当時はなかなか珍しいタイプの灯りだったようです。

-- こういう様々な工夫というのは、普通の設計事務所では望めないものなのですか?

全部の事務所を知らないので何とも言えませんが、少なくとも大手の会社よりは良いんじゃないでしょうか。そういう所では、酒販店向け内装の商品もあったりして、一見、華やかで手ごろで良さそうなのですが、結局のところ、パッケージ化された商品なので、細かい所が思い通りにいかず、工夫が存分にできず、最後は不満が募ってしまうわけです。

 竹内さんと私 -- 最後に小嶋さんに一言お願いします。

うーん、一言と言われても難しいですけど、とりあえずはいつも有難うございますとまずは言っておきます。これからも周りの環境がどんどん変わっていくと思いますが、それに合わせて、PURE HOUSEたけうちも積極的に替わっていくつもりなので、どんどんアイディアを出してください。今後もざっくばらんに話し合いながら楽しくやっていきましょう・・・といったところですかね・・・何か照れますね。

-- お言葉有難うございました。今日は貴重なお話をありがとうございました。

リンク PURE HOUSE たけうち

※ 取材日時:2004年11月
 

小嶋昇のコメント:

私は山形県山形市の出身です。実家も親戚もほとんどが商売人です。そういう環境で生まれ育ったので、仕事というのは商売の役に立たなければならないという考え方が身についてしまいました。

建築士の中には建築物を「自分の作品」と考える芸術家肌の方もいらっしゃいます。それはそれで素晴らしいと思いますが、私が目標とするのは、もっと機能を持った建築、目的あるデザイン。平たく言えば、売上げが上がるデザインです。これからもそういう商売の役に立つデザインを手がけたいと思います。

実はお店作りが大好きなのです。今回のPUREHOUSEたけうち様の仕事にしても、最初から最後までお店作りの楽しさにわくわくしっぱなしでした。これからも様々な工夫を凝らし、竹内さんのお役に立ちたいと考えています。今後もよろしくお願いいたします。

 
 

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