こんなに変わる靴屋さん-きれいになっただけじゃありません。

 

千足屋本店-ファサード-リニューアル後与件

 山形最大の靴チェーン店の千足屋さんの本店です。千足屋さんは、仙台や福島や庄内に積極進出したり、全国相手にネット販売なども手がけています。

 全国に多くの大型チェーンもありますが、その攻勢を地元では退け続けているなかなかの会社です。
 雪国の場合、商品のサイクルが東京や仙台などのチェーンと違うため、マニュアル頼みの全国チェーンではなかなか対応できないため、千足屋さんにかなう大手はいないとのことです。

 その本店の本格的なリニューアルの話が私に持ちかけられました。老朽化した設備の刷新はあたりまえとして、その他のリニューアル動機を次にあげます。

1、縦長の店で、売場が雑然として収拾つかなくなってきたこと。

2、自社で郊外の大型店も展開しているため、街中らしいコンセプトとイメージや格を持った店に差別化すること。

3、山形唯一のナイキショップを店内展開することに本決まりになったこと。

です。順を追って解説しますと、

1>今までは、靴はファッションに比べて、余り流行遅れの不良在庫が発生しませんでした。特に男性用は。そのため、売れそうな商品があるとすぐ仕入れがちです。その繰り返しで、店内が倉庫のようになりがちです。そうなると、まずお客様の来店意欲がしぼみ、商品がいくらあっても売上げが伸びなくなります。商品を揃える以前の問題がでてきます。この機会に、再び回遊性と来店する楽しさを持った店に変えたいとのこと。

2>ただ商品があるだけで売れる時代ではなくなってきました。立地によって、ターゲットやコンセプトを最適化し、お客様にメリハリのあるショッピングの楽しさを提供する必要が出てきた。

3>ナイキショップになると、種々の独占取扱、プレミア商品などが得られます。

ナイキショップ以上(ナイキショップやナイキストア)は地方では1つの県に1つ程度しか認定されません。

かなりのメリットが店全体に出ます。これまでは、ショッピングセンターのテナントなどの単独店が多かったようですが、今回は初めての地場の靴屋さんの店内の設けるモデルケースとのこと。是非それにふさわしい店にしたいとのこと。

リニューアル前.jpg リニューアル前2.jpg

参照-リニューアル前写真

 

 

レイアウトのせめぎあい

 

 若社長や、ナイキ開発部の方の当初の希望は、店頭部分にナイキショップをもってきたいとのこと。

 確かに既存の様子からイメージすれば、そう思うのも無理はありません。奥は死に場所になっています。

 しかし、今回のリニューアルの目的は、奥も含めて、全売場を活性化する事ですから、その前提なら、むしろ、最奥部にマグネットとなる主力商品コーナーを作ったほうが、店全体が活性化するはずです。スーパーで生鮮3品が奥にあるのと同じです。

奥が生きなきゃこのリニューアルは失敗なのですから。

 そのため、サッシをすっきりしたものに交換する提案をし、中央に雰囲気を持たせた太い通路を取る案を出しました。検討していただいたところ、OKがでました。ナイキさんでも社内で検討した結果、奥の方が3面の壁面が得られる事や、イメージを出しやすいとの結論となったようでした。

ナイキショップとその他の境界.jpgまずは、一安心。

  中央奥のナイキコーナーがマグネットになり、店全体が活性化 

  

お店の顔

 いままでは、ビルの意匠にとけ込んで、顔が見えない雰囲気でした。

 そこで、黒のメタリックマスキングを施しマスクをシックに引き締めると同時に、その黒のマスキング内の華やかさを引き立つよう演出します。

 テレビの枠が黒やシルバーなどモノトーンが売れてるのと同じ理論です。

 さらに、奥に入るナイキショップやその他のブランドの表示も雑然としないよう配置します。

ななめファサード-ブランドサイン、他 

    

コストデザイン

 今回は、トータルコストを落とす事も重要でした。そのため、弊社が千足屋さんの開発部の一員となって、千足屋さんが分割入札発注してその複数の業者のマネジメント(とりまとめ)を行う形式としました。設計監理料+αの代金が発生しますが、その効果はそのαとくらべものにならない大きさがあります。

 具体的な金額としては、一括で見積もりを取った場合に比べて3割の差がでました。しかも、各専門業者さんを叩いたわけでもなく、喜んで仕事してもらいました。

 システムとして効果大だったようです。住宅などと違い、店舗リニューアルは、建築以外の設備や装飾の金額が大きくなります。

 そのため、見積もりする人は他分野に詳しく無い場合、どんぶりになったり、あるいは、専門業者への説明があやふやになったりします。ところが、設計者が専門業者に直接説明し、また、同業の競合もいるとなれば、シビアに見積もりが出るのです。

 受注するほうも、リスクが少なくなり、オーナーから直接の発注で先の繋がりも見込めるし、即金なので、メリットがあります。

 分割範囲は、「内装外装建築及び現場工程安全管理」、「内装仕上げ」、「電気」、「空調」、「スチール什器」、「木製特注什器及び装飾」、「ナイキ什器」といったところです。

 将来のメンテナンスで、分割すると不便と思う人がいるかもしれませんが、逆です。もし、元請けが廃業したら、一括発注していた場合はお手上げです。また、修理などでも直接専門業者に連絡したほうが、気持ちよく請けてくれますし、直接発注でマージン分安いケースが多いようです。情報伝達経路が長くなるほど、正確さやコスト面で不利になることが多いようです。

 また、店舗の場合、その他の建築と比べて、こだわる所や、重要度の配分が異なります。そのため、店装専門業者に依頼する事が多いですが、やはり割高になってしまうようです。店舗に詳しい設計者が、間に入ってマネジメントすれば、うまく、一般の専門業者を使えて安くできるケースも多いです。

  

最後に

 その他デザインには、色々な工夫があります。

ローコストの蛍光灯でありながら、クリアな光と雰囲気を醸し出す反射板。

上部のストック置き場。中央通路の選出。

コーナー分け。レジの位置。

他にも沢山あります。

 なにより、土日などは、店が満員状態です!。街のなかで一番こと思うくらいです。街の靴屋さんでなく、最先端のファッションスポットとして、若者のたまり場になっているのはとても嬉しい限りです。

千足屋さんこれからもがんばってください。

 

千足屋靴店のホームページ

ナイキストア

 

中央通路のイベント台は見通しを考慮.jpg 中央通路を挟んでイメージ分け-右.jpg 

中央通路を挟んでイメージ分け-左.jpg 店頭はナイキでなくレディースになりました。.jpg 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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